LTspice XVIIの使い方 回路図の書き方

LTspice

アナログ・デバイセズ社から無償提供されている回路シミュレータのLTspiceは、2016年7月に64ビット化され、バージョンがIVからXVIIに大きくバージョンアップされました。主な変更点は、UNICODEに対応し日本語の文字フォントが使用できるようになったこと。また、ドット・コマンドのパラメータ設定をGUIウインドウで入力できるようになり、操作性が格段によくなりました。

まずは、基本的な使い方について覚えていきましょう。

なお、今回の投稿は、YouTubeにも動画をUPしています。

LTspice XVIIの導入

まずは、アナログ・デバイセズ社のウェブサイトからLTspice XVIIをダウンロードします。 Windows用Mac用の2種類がありますのでダウンロードします、

LTspice | 設計支援| アナログ・デバイセズ
LTspice®は高性能なSpiceシミュレーション・ソフトウェアで、回路図入力、波形ビューワに改善を加え、スイッチング・レギュレータのシミュレーションを容易にするためのモデルを搭載しています。LTspiceとアナログ・デバイセズの多くのスイッチング・レギュレータとアンプに対応するマクロモデル、そして一般的な回路シミュ...

ダウンロードしたLTspiceXVII.exeファイルを実行すると、インストーラが起動しますので、指示に従ってインストールしてください。

※旧バージョンのLTspiceⅣを既に使用されている方でもアンインストールすることなく追加できます。

回路図の作成方法

実際に回路図を描きながら各種コマンドの使い方を覚えていきましょう。たぶん、そっちの方が早く覚えられると思います。

初期設定

初期設定は必ず必要ではありませんが、最初に設定しておくと後々便利なので、設定方法を覚えるつもりでやってみてください。(後でも、自由に変更できます)

さっそく、デスクトップ上のLTspice XVIIのアイコンをダブルクリックし起動させます。ツールバーの「Control Panel」ボタンをクリックして「Control Panel」のダイアログを表示します。または、メニューバーの「Tools」 → 「Control Panel」をクリックしてもOKです。

フォントの変更

フォントの変更は、Control Panelの「Drafting Options」タブをクリックします。

フォントSizeを26に変更します。また、太字のBoldのチェックを外します

配線の太さも気になるので、Pen thicknessを1に変更します。

ここでは、あくまでも個人的な設定なので初期のままでも結構です。

 

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文字化け対策

LTspice XVIIでは、UNICODEに対応しているため、旧バージョンで設定していた文字化け対策は必要なくなりました。念のため、「Netlist Options」のタブをクリックして、旧バージョンで設定していた Convert ‘μ’ to ‘u’ [*] のチェックは外しておきます

 

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色の変更

シミュレーション波形画面の背景がデフォルトでは黒に設定されており、印刷時に薄い色の波形が見づらくなってしまうため、背景色を白に変更したいと思います。メニューバーの「Tools」 → 「Color Preferences」をクリックして、「Color Palette Editor」のダイアログを表示します。

「Color Palette Editor」の「Wave Form」タブをクリックします。 背景色を変更したいので「Selected Item」のプルダウンメニューから「Background」を選択します。

「Selected Item Color Mix」のRed、Green、Blueの値を全て”255”に変更すると、背景が白に変わります。最後に「OK」をクリックすれば設定完了です。

下表に各配色のRGB値を記載していますので、色を変更する際に参考にしてください

 

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部品の配置

新しい回路図を作成するには、ツールバーの「New Schematic」ボタンをクリックします。 または、メニューバーの「File」→「New Schematic」をクリックしてもOKです。

例題としてオペアンプを用いた2次型アクティブ・ローパスフィルタ回路を作成してみましょう。

オペアンプの配置

ツールバーの「Component」ボタンをクリックすると、「Select Component Symbol」のダイアログが表示されます。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Component」をクリックしてもOKです。

「Select Component Symbol」ダイアログから[Opamps]をダブルクリックします。多数のオペアンプの型式が表示されますが、ここでは「LT1115」を選択して「OK」をクリックします。

 

 

 

抵抗の配置

ツールバーの「Resistor」ボタンをクリックします。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Resistor」をクリックしてもOKです。

部品の向きを変更するには、部品を選択した状態で 「Ctrl + R」を押すと90°回転します。また、 反転させたい場合は、「Ctrl + E」で反転します。
下記のように抵抗2つを配置してください。

 

 

 

 

部品の移動

配置した部品を移動するには、ツールバーの「Move」ボタンまたは「Drag」ボタン をクリックします。 メニューバーの「Edit」 → 「Move」または「Drag」をクリックしてもOKです。

「Move」は、配線との接続は解除され、部品だけが移動します。

「Drag」の場合は、配線との接続は解除されません。

コンデンサの配置

ツールバーの「Capacitor」ボタンをクリックします。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Capacitor」をクリックしてもOKです。

下記のように、コンデンサ2つを配置してください。

 

 

 

 

 

 

信号源の配置

オペアンプ回路の入力源として信号源を配置します。ツールバーの「Component」ボタンをクリックすると、「Select Component Symbol」のダイアログが表示されます。または、メニューバーの「Edit」 → 「Component」をクリックしてもOKです。

現在のフォルダが[Opamps]になっている場合は、階層を一つ戻してから、[Misc]フォルダをダブルクリックします。

ここでは「signal」を選択して「OK」をクリックします。下記のように信号源を配置してください。

 

 

 

 

 

 

電源の配置

オペアンプ用の電源を配置します。ツールバーの「Component」ボタンをクリックすると、「Select Component Symbol」のダイアログが表示されます。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Component」をクリックしてもOKです。

同じ [Misc]フォルダ内にある電源シンボルの「cell」を選択してOKをクリックします。

下記のように電源2つを配置してください。

 

 

 

 

 

GNDの配置

ツールバーの「GND」ボタンをクリックします。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Place GND」をクリックしてもOKです。

GNDはシミュレーション実行時の電圧基準となりますので、必ず配置してください。但し、この例のように、必ずしも全てのGND側にGNDシンボルを配置する必要はありません。1つのGNDシンボルに配線を結線しても問題ありません。
下記のようにGNDを配置してください。

 

 

 

 

 

配線

ツールバーの「Wire」ボタンをクリックします。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Draw Wire」をクリックしてもOKです。

配線する場合は、始点で「左クリック」、終点でもう一度「左クリック」すると配線が完了します。 終了する場合は、「右クリック」または「ESC」でキャンセルします。

配線を途中で曲げたい場合は、曲げたい箇所で一度「左クリック」すると始点からの配線が確定されます。これを繰り返すことで終点まで続けて配線することが可能となります。 終了する場合は、「右クリック」または「ESC」でキャンセルします。

下記のように配線ができたと思います。

 

 

 

 

 

 

部品の削除

部品や配線を削除する場合は、ツールバーの「Cut」ボタンをクリックします。 または、メニューバーの「Edit」 → 「Delete」をクリックしてもOKです。

ここでは、先ほど作成した回路図の電源V2とV3の配線を一旦削除します。後でネット名を付けて配線することなくオペアンプの電源と接続します。

範囲を指定して削除する場合は、マウスの左ボタンを押しながら範囲を指定してボタンを離します。

部品の編集

部品の配置と配線が完了しましたので、ここからは、シミュレーションに必要な各部品の属性を編集していきます。 部品を編集する方法はいくつかありますが、個人的には専用の部品エディタを使用するのが簡単だと思うので、その方法でやってみます。

抵抗属性の編集

抵抗部品の上にカーソルを移動させると指マークが表示されますので、その状態で「右クリック」すると、「Resistor」のダイアログが表示されます。

LTspiceで使用できるSI接頭辞は以下の通りです。        T(10e+12)、G(1e+9)、Meg(1e+6)、k(1e+3)、m(1e-3)、u(1e-6)、n(1e-9)、p (1e-12)、f(1e-15)  メガの場合は、MではなくMegと入力します。小文字は区別されません。

ここでは、R1とR2を10kΩに設定します。

 

 

 

 

 

コンデンサ属性の編集

コンデンサ部品の上にカーソルを移動させると指マークが表示されますので、その状態で「右クリック」すると、「Capacitor」のダイアログが表示されます。

ここでは、C1を0.022uF、C2を0.01uFに設定します。

 

 

 

 

 

 

信号源の編集

信号源の上にカーソルを移動させると指マークが表示されますので、その状態で「右クリック」すると、「Independent Voltage Source」のダイアログが表示されます。

ここでは、下図に従って設定してください。

  • DC offset:0V
  • Amplitude:2V
  • Freq:500Hz

単位は省略しても大丈夫です。その他項目は空欄で可。

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電源電圧属性の編集

電源の上にカーソルを移動させると指マークが表示されますので、その状態で「右クリック」すると、「Voltage Source」のダイアログが表示されます。ここでは、V2とV3の電圧を設定します。

ここでは、V2を12V、V3を-12Vと設定します。

ノードにネット名を付ける

配線した信号ラインや入出力信号の名前をつけると、すぐにどこの配線か分かるようになります。

ツールバーの「Label」ボタンをクリックします。または、メニューバーの「Edit」→「Label Net」をクリックしてもOKです。

Net Nameのダイアログにラベル名を入力し「OK」を押すと表示されますので、ラベルを置きたいところへ配置して左クリックします。(□部が消えない場合は、ネット名が付いてない状態なので注意してください)

ここでは、信号源V1の出力を「Vin」オペアンプ出力を「OUTPUT]、そしてオペアンプの電源V2を「VCC」V3を「VEE」と設定します。

なお、オペアンプの出力は、Port Typeのプルダウンメニューから「Output]を選択して出力の形にします。

 

 

 

 

 

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回路図にコメントを入力

回路図にコメントを入力することができます。このコメントは、電気的には全く影響しませんので何を書いても大丈夫です。ここでは 回路情報として「2次型アクティブ・ローパスフィルタ」と入力したいと思います。

ツールバーの「Text」ボタンをクリックして「Edit Text on the Schematic」のダイアログを表示します。または、メニューバーの「Edit」→「Text」をクリックしてもOKです。

文字を入力して適当な箇所に配置すれば、回路図の完成です。